法務ログ/Beyond happy paradise

法務ネタ・留学(LL.M/法務部員・弁護士)を中心に記載しています。本ブログは法的アドバイスを目的としたものではありません。https://twitter.com/Ishibayashi

留学(LLM) 渡米後の生活費確保について

 渡米後の生活費確保について、一般的と思われる方法を備忘録として残しておきます(ここでいう「確保」は原資を集めるという意味ではなく、原資を米国に移動させるという意味です。)。

 

 LLM留学のような年単位の留学の場合、決済を日本のクレジットカードのみで対応するのは少々厳しい(手数料等の損が大きい)と思います。ですので、①送金用口座及び送金用ドルの準備、②米国で口座を開設、③日本の銀行から米国の口座に送金、④米国口座のデビットカード利用and/or米国口座からドル建てクレジットカードの引き落とし、というのが一般的です。

 

1 送金用口座及び送金用ドルの準備

 詳細は3で記載しますが、送金はネットバンキングで行うのが通常です。ですので、国内にいる間に、海外送金の可能な銀行口座を開設しておく必要があります。日本人留学生の多数派はprestiaを利用しているようです(なお、主要銀行だと、2017年現在、みずほ銀行はネットバンキング経由の海外送金ができないので注意。)。これは、prestiaの手数料が比較的安価なことに加え、2017年以前に渡米した場合、「海外大学院留学サポートプログラム」によって海外送金手数料が無料になることが大きいのだと思います。上記プログラムは受付が2017年5月までとなっていたので、2018年以降渡米の方が利用できるかは不明ですが、渡米前にprestiaに確認することをお勧めします。

 なお、3で記載するとおり、prestiaは送金先口座の登録に時間かかるので、三菱東京UFJ(BTMU)のグローバルダイレクトサービス等と併用する方もいます。

レート・手数料で損しても良いのであれば、ドルの事前準備は不要(送金時に円からドルに両替)ですが、少しでも費用を浮かせたい場合、(a)マネーパートナーズ又はYJFX等のFX口座を利用して両替する、(b)prestiaの両替手数料無料キャンペーン時に両替する、といった方法があります。

 

2 アメリカでの口座開設

 個別(銀行/支店/担当者)に対応が違う場合もあるようですが、基本的に、(a)パスポート(F-1ビザ)、(b)I-20、(c)日本の身分証明書(運転免許証)、の3点があれば口座開設が可能なようです(賃貸借契約書の提示が必要という説も聞いたことがありますが少なくとも私は要求されませんでした。逆に(c)は不要な場合もあるようです。)。

 なお、ニューヨークの場合、666 5th Avenueにあるciti bankには日本語が通じる行員が複数いるため、多くの日本人留学生はここで口座を開設しているようです。

 

3 アメリカへの送金について

 アメリカでの口座開設が完了した後に、日本の口座のネットバンキングで海外送金することになります。なお、prestiaの場合、海外送金先口座の登録には、(a)サイン又は押印(銀行に届け出ているいずれかの方法)をした海外送金口座登録書の提出(海外からの場合は郵送)、又は、(b)トークンを利用したウェブ上での登録、が必要になります。

 (a)は海外からだと郵送+登録手続で1週間程度はかかるので、その後の送金に要する時間を含め1週間以上かかると考えておいた方が良いです。また、届出方法としてのサイン筆跡確認はある程度厳密なようなので、渡米前に印鑑に変更しておいた方が安全です。

 これらの登録手続きが面倒な場合、BTMUを使うと登録手続なしで送金が可能です。

 なお、prestiaの場合、外貨キャッシュカードを作っておけば、米国のciti bankのATMからドル預金を直接引き出すことが可能なので、それをATM経由で移すことも可能です(ただし、一日当たりの引出上限があるので、少しずつしか移せません。)。なお、通常のキャッシュカードでもドルの引き出しは可能ですが、その場合、円預金を両替して引き出す形になるので両替手数料等が結構かかります。

 

4 デビットカード及びクレジットカードについて

 通常、アメリカでは、キャッシュカード=デビットカードとなるので、口座を開設すればデビットカードは自動的にもらえます。

 クレジットカードについては、銀行発行のものは入手が難しい(スポンサーレターが必要、限度額と同額の定期預金が必要等)ようです。ANA又はJALのドル建てカードは、比較的入手しやすいようですが、やはり、スポンサーレターを要求される場合がほとんどのようです。

 デビットカードは、クレジットカードと同等の感覚で使用できるので、ポイント(又はマイル)を稼がなくても良いのであれば、クレジットカードなしでも1年間持たせることは可能です。