法務ログ/Beyond happy paradise

法務ネタ・留学(LL.M/法務部員・弁護士)を中心に記載しています。本ブログは法的アドバイスを目的としたものではありません。https://twitter.com/Ishibayashi

留学(LLM) LSACの使い方 その1(LSAC全般)

LLMの出願においては、基本的にLSACという機関(?)の使用が必須となっています(Harvard等一部例外はあります。)。LSACは出願手続代行のようなもので、履歴書、成績表、推薦状等を一括管理してくれて、出願先に直送してくれるサービスです。これを使うことで、成績表を各校に送る必要がなくなる等の様々なメリットがあります。ただし、(説明が英語であることもあり)使い方に分かりにくい部分が多く、扱いに苦労することがあります。

 

以下、LSACを使う上で疑問が生じやすい点についてまとめます。なお、手続は毎年若干変わるようですし、記憶が不鮮明な部分もありますのでご留意ください。基本的に使いながら慣れるしかないように思います。

 

1. スケジュール感

実際には各作業を行う時期(混む時期かどうか)にもよりますが、概ね以下の期間がかかると考えてください(下記は専ら事務作業に関してかかる期間であり、推薦状とPersonal Statemetには別途作成の時間が必要です。)。結論としては、「事務作業が滞りなく進むと仮定しても2か月かかると考えておくべきである」ということになります。

(1) LSACの登録

 0日(自分の作業が1時間程度)。

 日本人は原則「DAS + ITAES 」の購入が必要です。

(2)成績表関係

 ①出願者から大学・研修所への依頼書の送付:1日~2日

 ②-1大学・大学院の発行作業:1日~1週間(各大学によるが早い場合が多い)

 ②-2研修所の発行作業:2週間~3週間(思ったより時間がかかるので注意)

 ③大学及び研修所からLSACへの直送:3~5日

 ④LSAC側でのEvaluation:1週間~3週間

 以上から、成績表関係は出願できる状況になるまで2か月程度はかかると考えておいた方が良いです。

(3)推薦状関係

 作成期間は推薦者の都合もあるのでcase by caseですが、完成品をLSACが受領すればそれで完了となります(LSAC側の作業はほぼノータイムです。)。そのため、最短なら1週間弱(郵送期間)で出願に使用できる状況になります。また、最近では電子データ形式での送付も可能なので、推薦者が電子データ形式を利用可能であれば、もっと短かくすることも可能です。当然のことながら、作成に要する期間も考えれば、推薦者には締切の2か月以上前からコンタクトしておくべきと考えられます。

(4)TOEFL関係

 ETSにスコア送付依頼をしてから、ETS→LSACの送付がなされるまでに1週間程度かかります。そのため、出願日の2週間程度前までにはETSにスコア送付依頼をする必要があります(採点期間を考えると、出願期限に提出できるのは期限の約1か月前に受けたテストまでと考えられます。)。

(5)Personal Statement 及びResume

 0日(PCからデータ形式で送付することが可能です。当然のことながら作成にはある程度時間が必要です。)

(6)LSAC上でのapplicationの記載作業(住所や興味のある分野等の入力)

 0日(自分の作業次第。ただし、Columbia、U Pennあたりは細かい記載を求められるのである程度時間がかかると考えた方がよい。)

(7)上記(6)完了後

 上記(6)が完了した後に、①ApplicationのLSACから出願校への送付作業、②①を受けた出願校によるLSACに対するlaw school reportの送付要請、③②を受けたLSACによるlaw school reportの送付、が順次なされます。②と③には一定の日数(1週間弱)がかかる場合があるようですが、基本的に(1)-(6)と(7)①がdeadlineまでに完了していればよいようです(ただし、②・③も含めてdeadlineまでに完了している必要がある学校もあるらしいので、個別に確認はしてください。)。

   

成績表・推薦状等のLSACへの送付については、別の記事に記載します。