法務ログ/Beyond happy paradise

法務ネタ・留学(LL.M/法務部員・弁護士)を中心に記載しています。本ブログは法的アドバイスを目的としたものではありません。https://twitter.com/Ishibayashi

裁判官の判断と「結論の妥当性」

民事訴訟において、裁判所(裁判官)は、原告が訴訟物として主張する一定の権利又は法律関係の存否について判断する。この判断は、実体法規に定められた要件に該当する具体的事実が存在するかどうかによって行う。*1 このように、建前として、裁判所は、①「…

失われた家屋の補填は課税されないのに、失われた暗号通貨の補填は課税されるのは何故か

含み益のある持ち家を譲渡した場合、「譲渡額-購入価格」が所得を構成する。例えば、1億円で購入した家を3億円で譲渡すると、「3億-1億=2億円」が所得となる。 もっとも、この持ち家が放火で消失し3億円の補填*1を受けた場合、非課税となるのが現行法であ…

2017年米国税制改革法(TCJA)と業務関連接待

アメリカでは2017年に 税制改革法(Tax Cuts and Jobs Act /TCJA)が成立しており、この法令によって2018年から多くの税の取扱いが変わってます。 これに関して日本でも注目されているのは法人税の引き下げ*1等です*2。 これに対して日本では注目している方…

Law School(LLM)はどれぐらい大変か?

LLM留学を考える際に気になる点の1つとして「Law Schoolの勉強がどれぐらい大変か」というものがあります(私は卒業できるかを真剣に心配していました。)。 結論から言うと、卒業するだけならそれほど大変ではありません*1。私は所属LLMにおいて(日本人を…

アメリカでの家探し

留学中の住居は ・大学寮 ・普通の賃貸 のいずれかになると思います。 大学寮に関しては基本的にそんなに変な場所にない(し学生側に選択肢もそれほどない)ので、大学から割当てられた場所に住むことで問題ないと思います。 大学寮に入れない(and/or 二年…

Law School(LL.M.)におけるリサーチペーパー・論文作成に関する備忘録(形式面編)

アメリカの法学系リサーチペーパーで一般的な形式面は以下のとおりです*1。なお、作成に関する全体的留意点は別記事に記載しています。 Word設定 ・用紙サイズ:Letter ・余白:各1インチ ・フォント:Times New Roman ・フォントサイズ:12 ・ダブルスペー…

Law School(LL.M.)におけるリサーチペーパー・論文作成に関する備忘録

LL.M.においてはリサーチペーパーの作成が卒業要件となっている学校があります*1。 要は1万Words程度(日本語換算で2万字程度)の論文作成なのですが、私のように日本の大学で卒論を作成していない方も多いと思います。そこで参考になる方がいるかもというこ…

留学(LLM) 渡米後の生活費確保について

渡米後の生活費確保について、一般的と思われる方法を備忘録として残しておきます(ここでいう「確保」は原資を集めるという意味ではなく、原資を米国に移動させるという意味です。)。 LLM留学のような年単位の留学の場合、決済を日本のクレジットカードの…

留学(LLM) 保険関係

1. 健康保険 米国LLM留学の場合、アメリカの健康保険に加入することが必須(大学から要求される)です。そのため、LLMの期間については大学指定の保険に加入するということで問題ないかと思います。 もっとも、大学指定の保険は「外部の診療機関を受診するに…

留学(LLM)予防接種

米国の大学は授業受講の前提として予防接種を要求しているところが多いです(合格後、具体的な指示がなされます。)。 ①進学先の要求する予防接種の内容の確認 ②自身の過去の接種歴の確認(通常母子手帳にて確認。母子手帳がなくなってしまっている場合、病…

留学(LLM)US Visa(F-1)取得について

F-1 Visaの取得手続きについて備忘録としてまとめておきます。 なお、日本のアメリカ大使館によると3カ月前までの手続き開始が推奨されていますが、出国まで2か月あれば大体間に合います(大学が迅速に対応してくれることを前提にすれば1カ月での取得も可能…

留学(LLM) 合格基準について

日本人のLLM留学における、合否はほぼほぼTOEFL(+コネ・法曹資格の有無)で決まっているように思います(例外的にハーバードはGPAの比重が高い。)。推薦状(推薦者が出願先とコネのない方の場合)、Statement of Purpose(SOP)及びResumeも無関係ではあり…

留学(LLM) TOEFL対策 Listening

Listeningは苦手な方が多いですが、①英語の聴き取り能力、②単語力、③TOEFLトピックへの慣れができれば、安定的に26点以上をとることが十分可能だと思います。 ①については、集中的に英語を聴く機会を設ける(日々の問題演習)も大事ですが、その前提としてWe…

留学(LLM) TOEFL対策 Reading

おそらく日本人が一番得意な科目かと思います。 この科目の目標は、常に28点以上を取れる様になることです。Readingの28点を所与にしないと、(帰国子女等でない限り)安定的に100点を超えるのは困難だと思います。ただ、学生時代英語が苦手だった筆者でもRa…

留学(LLM) TOEFL対策 総論

ごく普通の弁護士又は法務部員が上位校(T14あたり)のLLMに進学しようとする場合、TOEFLでは概ね95点以上(通常100点以上)が必要となります。 TOEFL対策(100点超え)については様々な方が既に書かれていますが、思うことを書くと以下のとおりです(なお、…

留学(LLM) LSACの使い方 その5(Personal Statement / Essay)

LLMの出願においては、Personal Statement(PS)の提出を求められます。LSACへのPSの提出は電子データで問題ないため、送付にかかる時間は気にする必要がありません。 PSに記載すべき内容は①完全に自由、②出願先にて内容を指定、という2種がありますが、基本…

留学(LLM) LSACの使い方 その4(TOEFL)

3. TOEFL TOEFLについては、ETSに「●月●日に受験したテストの結果をLSACに送付してください」という申請(有料)を行う必要があります(ETSから送付されたテスト結果は原則として自動でLSAC側で登録されるため、LSAC上での作業は不要。)。 スコアがETSからL…

留学(LLM) LSACの使い方 その3(推薦状)

2. 推薦状(LoR) 作成の流れ(推薦者に1から作成をお願いするか、出願者から書いてほしい内容をまとめて推薦者に伝えるか等)は、推薦者次第かと思いますので、ここでは立ち入りません。推薦者の負担を最小限にするロジ周りは以下のとおりです(電子提出で…

留学(LLM) LSACの使い方 その2(成績表関係)

1.成績表(Transcript)の送付 弁護士の場合、基本的に(1)学部、(2)法科大学院、(3)司法研修所、の成績表が必要となります*1*2。また、在学中に国外大学に短期留学しているような場合は、その成績表も必要となります。 これらについては、①LSACに各教育機関…

留学(LLM) LSACの使い方 その1(LSAC全般)

LLMの出願においては、基本的にLSACという機関(?)の使用が必須となっています(Harvard等一部例外はあります。)。LSACは出願手続代行のようなもので、履歴書、成績表、推薦状等を一括管理してくれて、出願先に直送してくれるサービスです。これを使うこ…

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このブログでは、 ・ 法務ネタ ・ 法務パーソン(法務部員・弁護士)の留学に関するTips を書き綴っています。 情報の正確性はできる限り確認していますが、必ずしも裏取りができているわけではないのでご注意ください。