法務ログ/Beyond happy paradise

法務ネタ・留学(LL.M/法務部員・弁護士)を中心に記載しています。本ブログは法的アドバイスを目的としたものではありません。https://twitter.com/Ishibayashi

留学(LLM)US Visa(F-1)取得について

 F-1 Visaの取得手続きについて備忘録としてまとめておきます。

なお、日本のアメリカ大使館によると3カ月前までの手続き開始が推奨されていますが、出国まで2か月あれば大体間に合います(大学が迅速に対応してくれることを前提にすれば1カ月での取得も可能かと思います。)。

なお、ビザ手続きは変更されることも多いので参考程度に考えてください。

 

  1. パスポートの取得及び確認
  • Visa取得の前提として留学期間+半年の有効期間のパスポートが必要
  • 未所持の場合は速やかに申請
  • 既所持の場合、①有効期間の確認、②記載事項変更の有無の確認(氏名・本籍地等は取得時から変わっている可能性有り)。①と②の関係でパスポートの更新手続きが必要となる場合、下記I-20等の取得手続前に更新が必要です(パスポート番号が変わってしまうため)。
  • パスポートの取得又は更新は、東京在住であれば1週間程度で対応可能
  1. 米国への入国後最初に通う大学の確定→I-20の取得
  • Summer Schoolから通う場合Summer Schoolの大学、LLMのみ通う場合LLMの大学がこれに該当します。
  • I-20は最初に通う大学からのみ取得します(Summerに通う場合、LLMのI-20は(SummerとLLMが同じ大学でかつI-20を一体にしているような場合を除き)出国段階では不要です。入国後、LLMが始まる段階でTransferという手続きを行って取得します。)。
  • I-20は、大学によるAdmission後、留学者が申請してから1週間程度で発行される場合が多いようです(担当者に大きく左右されますが、出国が迫っていれば割と急いでくれるようです。)。I-20は原本である必要があるので、米国から日本に届くまでもう1週間程度かかります。
  1. 米国大使館提出書面の作成等

      以下は、I-20の到着待ちと並行して進めることも可能です。

  • DS-160の作成
  • SEVISの支払い(2017年は200US$)
  • Visa申請料の支払い(2017年は18,000JPY)
  1. 大使館面接
  • I-20の取得+上記3の書面作成後、ウェブサイトにて面接を予約。なお、出国が迫っている場合は例外的にI-20の原本取得前でも面接の予約は可能なようです(その場合も面接の時点ではI-20の原本が必要なようです)。
  • 面接は、30分単位で時間を予約する(8時30分~12時とかだったと思います。)ことになっていますが、実際問題、この時間はあまり意味がなく、着いた方から面接している印象です。
  • 面接当日は、大使館前の道路に並んで待たされます。基本的に早い時間に行った方が待ち時間は短いです。また、持ち物制限が厳しいので注意が必要です(大きめのバッグ等は原則不可のようです、お目こぼしになっている場合もあるようですが…)。
  • 面接自体は、銀行の窓口のような場所(部屋ではなくオープンスペースです。)で数分程度行われます。LLMに限れば費用証明(スポンサーがいればスポンサーレター、自費なら銀行の残高証明)が万全であればほぼ問題ないと思います。

留学(LLM) 合格基準について

日本人のLLM留学における、合否はほぼほぼTOEFL(+コネ・法曹資格の有無)で決まっているように思います(例外的にハーバードはGPAの比重が高い。)。推薦状(推薦者が出願先とコネのない方の場合)、Statement of Purpose(SOP)及びResumeも無関係ではありませんが、これらは加点要素というよりも「日本人間の競争においてTOEFL(+コネ・法曹資格の有無)が同点で並んでいる場合の比較要素」と考えた方が妥当ではないかと思います。

 

日本人の出願が多い学校の大雑把なイメージとしては、

 Harvard・Stanford

---------100~105点以上+α(GPA等)の壁------

 Columbia・Chicago・Penn・NYU・Berkeley

---------100点~105点の壁------------

 Virginia・Michigan・Duke・Northwestern・Cornell・Geogetown

-------100点~95点の壁-----------

 ULCA・USC・Boston

--------95~85点の壁------------------

といった感じです(上記の「壁」はこれを超えていないと足切りされるという意味ですが、例外はあります。)。コネがあると壁が少し下がるイメージです。

 

ただ、当然のことながら、受かりにくい学校が「良い」学校なのではなく、実際の進学先決定においては専門分野等が考慮されていることが多いです。

 

なお、Agosが過去の出願結果(各出願者のTOEFL、GPA等とその合否)を無料で公開しているので、出願先の選定においてはこれが参考になると思います。

留学(LLM) TOEFL対策 Listening

Listeningは苦手な方が多いですが、①英語の聴き取り能力、②単語力、③TOEFLトピックへの慣れができれば、安定的に26点以上をとることが十分可能だと思います。

 

①については、集中的に英語を聴く機会を設ける(日々の問題演習)も大事ですが、その前提としてWeb TOEFLのListening 18daysコースを受講することをお勧めします。このコースを受講し、Assignmentを含めてこなせば着実なレベルアップが図れると思います。このコースのAssignmentはかなり重い内容(講義1day分について3~4時間かかるAssignmentが科せられる)ですが、手抜きせず必ずこなすようにしてください。おそらく講義だけ聴いてもほとんど意味がありません。

 

②については、基本的にReadingと同様であり、これまでに英語を集中的に勉強したことがない場合は「DUO 3.0」から始めてください。一定程度英語を集中的に勉強をしたことがある、又は、「DUO 3.0」の単語をおさえた方は、「TOEFLテスト英単語3800」でTOEFL固有の単語をおさえてください。

 

③は公式問題集(赤+青×2)に加えて、TOEFL MAP Advanced及びDavid choあたりをこなすことをおすすめします。後2者は「ハングルプラス」というネット通販で購入可能です。また、疲れていて問題演習が難しい時にはReadingでも紹介した「TOEFLテスト基本ボキャブラリー2000」を聴くこともトッピク慣れに有益です。 

 

なお、ノートテイキングに悩む方が多いようですが、個人的には「2つの種類の何かを比較する」といったタイプのような「概念の混同が生じる可能性がある」問題以外では不要だと思います。

 

留学(LLM) TOEFL対策 Reading

おそらく日本人が一番得意な科目かと思います。

この科目の目標は、常に28点以上を取れる様になることです。Readingの28点を所与にしないと、(帰国子女等でない限り)安定的に100点を超えるのは困難だと思います。ただ、学生時代英語が苦手だった筆者でもRadingでの安定的な28点取得は可能でしたので、Readngでの28点以上獲得自体はそれほど難しいものではないと思います。

 

勉強法としては、①単語力の強化、②トッピックへの慣れ、③問題形式への慣れ、に尽きます。

 

まず、①は、これまでに英語を集中的に勉強したことがない場合は「DUO 3.0」から始めてください。これ自体をやることでTOEFLの点が上がるわけではありませんが、大前提としてこの単語帳程度の単語はおさえておく必要があります。

一定程度英語を集中的に勉強をしたことがある、又は、「DUO 3.0」の単語をおさえた方は、「TOEFLテスト英単語3800」でTOEFL固有の単語をおさえてください。この単語帳のLEVEL3+下記の②をこなすと、徐々にTOEFLのReadingの内容が分かる様になります(LEVEL3までの単語をおさえるだけで点がとれるわけではないので注意してください。)。

 

次に、②は「TOEFLテスト基本ボキャブラリー2000」から始めることをお勧めします。元々Readingがある程度できる方は公式問題集(青本)から始めても良いのですが、大抵の方はいきなり公式問題集をやっても難しすぎると思うので、まず、この「2000」程度の易しい内容から始めた方が良いと思います。

順番としては「TOEFLテスト基本ボキャブラリー2000」→「これで完璧!TOEFLテスト続基本ボキャブラリー2000語」(入手できれば)→「公式問題集」(青+赤×2)あたりがお勧めです。

 

最後に、③ですが、これは公式問題集がお勧めです。公式問題集をやり終わってしまった場合、TOEFL MAP Advanceという問題集(韓国の出版社が発行)をおすすめします。なお、韓国の出版社が発行しているTOEFL関係の本は「ハングルプラス」というネット通販で購入可能です。

 

①~③は、順番にやっていくというよりも、(1)3800のLEVEL2ぐらいをおさえた段階で、2000を読む+青本を解く、(2)3800のLEVEL3の半分ぐらいをおさえた段階で2000の続を読む+赤本1を解く、(3)3800のLEVEL3の全体をおさえた段階で赤本2を解く、(4)3800を総復習しつつ、MAPを解く、というように並行的にやるイメージです。

 

 

留学(LLM) TOEFL対策 総論

ごく普通の弁護士又は法務部員が上位校(T14あたり)のLLMに進学しようとする場合、TOEFLでは概ね95点以上(通常100点以上)が必要となります。

 

TOEFL対策(100点超え)については様々な方が既に書かれていますが、思うことを書くと以下のとおりです(なお、筆者は、勉強開始前が60~70点代でした。)。

 

TOEFL対策には時間が必要

 筆者は、勉強時間をタイムチャージの様に記録していましたが、60-70点台から100点超えまで600時間程度かかりました(原則机に向かって勉強した時間のみをカウントしています。)。個人差もあると思いますが、500時間前後の勉強時間は必要と思ってください。出願サイクルを考えますと、進学する前年の10月ぐらいまでには100点を超えたいところですので、それまでに500時間程度の勉強時間を確保できる様に、勉強の開始時期を逆算してください。

 

・得点構成

 個人的には、Rで28点、Sで20点、LとWで52点という形が現実的ではないかと思います(LとWは、得意な方で27~29点、苦手な方で23~25点とるイメージ)。日本人の場合、Rで28点以上、Sで20点以上を安定的に取れる様にならないと100点超えは難しい様に思います(逆にいうとRとSでこの点をとるのはそれほど難しくありません。)。

 

・予備校に頼りすぎない。

 予備校の有益性は否定しません。ただ、仮に予備校に通ったとしても勉強時間の大部分は自習となります。予備校に通っていると「とりあえず通った」ことで満足しがちですので、そうならないように注意してください。筆者の個人的な経験としては、予備校よりも自習の方が効率が良い様に思います。

 予備校を使う場合も「あくまで、勉強法や回答法を教えてもらっているだけであり、自習時間の確保が必須である」という意識を持つ様にしてください(このような意識を持つと「結局、自習の方が効率が良いのではないか?」という考えに至ると思います。)。

 

・各科目の対策は以下のとおり(別記事でもう少し詳細に書きます。)

Reading:「TOEFLテスト英単語3800」(より基礎的なところからやる場合は「DUO 3.0」)で単語力を鍛えつつ、「TOEFLテスト基本ボキャブラリー2000」でTOEFLのトピックになれる。その上で公式問題集(青+赤×2)で問題形式に慣れる。公式問題集を解き終わったら、TOEFL MAP Advanceあたりもやる。

Listening::「TOEFLテスト英単語3800」と「TOEFLテスト基本ボキャブラリー2000」をやりつつ、WEB TOEFLの「Leading 18 days」でListeningの基礎力を鍛える。これが完了したら、公式問題集、David Choあたりで、TOEFLの問題形式及び頻出テーマに慣れる。

Speaking:公式問題集で問題形式に慣れる。その上でReadingとListeningがある程度できるようになったら、E4TGに通う。

Writing:IntegratedについてはとにかくListeningを鍛える。Independentは基本的な構造を押さえた上で添削サービスで数をこなす。